妹(川原ユキ)◎ 砂原由起子(Yukiko Sunahara)
大阪府大阪市生まれ。大阪で1年間、東京で6年間、CM制作プロダクションに勤務。現在、フリーランスのプロダクションマネージャーをしながら映像勉強の留学の為、日々勉強中。
この撮影で、市川さんが切符をなくしてアタフタしていたこと、撤収作業を走ってしていたこと、店の前で一緒に歌の練習をしたこと、大阪弁を市川さんに教えたこと、ニコニコしながらカメラをまわしていたこと、最後に「すなちゃん一緒に写真とってくれない?」と言ってくれたこと。本当に、この経験は私にとって一生の宝物です。もっともっと市川さんと一緒にいろんなものをつくらせて頂きたかったですし、いろんなことを聞かせて頂きたかったです。これからは、全てが推測でしか知れない市川監督のこと。本当に悲しすぎます。
兄(川原ヒサシ)◎ 鯖吉(Sabakichi)
本名は直川隆久(Takahisa Naokawa)1995年 電通入社。関西支社・CMプランナー、コピーライターとして、大日本除虫菊『キンチョール』をはじめ、関西 電気保安協会などを手掛ける。2008年 OCC賞クラブ賞受賞。
研修で長期滞在していたイギリスで、市川さんとお会いしたことがあります。雨のそぼ降る中、待ち合わせ場所に巨大なスーツケースを引きずって現れた私を見て監督は「ホームレスが来たぞ」と思われたそうです。そのときの私の姿が、ヒサシの原型になっているのかもしれません。
そのあとピカデリー・サーカスの三越でごはんをご馳走になったのですが、帰国後「直川、日本食に感激して涙ぐんでたぞ」とおっしゃってたそうです。市川さん、蕎麦のわさびがきいてただけなんですけど……。
いつか訂正しようと思っていましたが、もう、それもできません。
兄の元妻(トモ子)◎ 三枝桃子(Momoko Mieda)
広告業界を中心にプロデューサーとして活動。最近では『象印シリーズ』、『金鳥(カトリス・リキッド)』、『サントリー・ゼロ生』などを手掛ける。京都祇園に住んで、大阪中心に東京、最近はNYにも拠点を作り、何か楽しい事見つけようと日々努力です。チャームポイント・すべて大きい。(態度から心まで)
初めてのプロデューサー作品(きんさん・ぎんさん)も市川さんでした。あの時の現場は、監督と私と2人だけで、(カメラマンも代理店もスポンサーまで、家の外で見守るのみ)市川さんが親指と人差し指を合わせながら、何かお話して・・・とか言われるのです、十数年ぶりに再会された姉妹のたわいの無い話が続き、空気がスーッと変わった時に、監督は「100歳になった感想は?」とか急に言われて、あの言葉が自然に返ってきました。「うれしいような かなしいような」本当に届く言葉が生まれました。そんな見方や撮り方をされる方でした。優しい目で、一人一人の中の言葉を大切にされる方でした。この映画にもそういう監督の思いが感じられる様に思います。市川さん、映画のお手伝いができて、たくさん思い出を ありがとうございました。
兄の親友(山口隆)◎ 山崎隆明(Takaaki Yamazaki)
京都生まれ。1987年電通入社。CMプランナーとして金鳥、リクルート、サントリー、マンダム、日清、ソフトバンクなどのCMを手がける。クリエーター・オブ・ザ・イヤー、TCCグランプリ、ACC金賞・企画賞、広告電通賞部門賞など受賞多数。2009年シニアクリエーティブディレクターを経て、株式会社ワトソン・クリックを設立。
「この映画はテスト撮影だから」みたいなことを監督がおっしゃっていたので、気楽に何も考えずに現場に行きました。何もないと言いながら、なにか用意して頂いていると思っていたのですが、本当に何もありませんでした。撮影1時間前ぐらいに大慌てで、喋る内容を考えた記憶があります。監督がいなくなって、約7ヶ月。市川さんに代わる演出家はいらっしゃらないので、いまだに途方に暮れています。
妹の同僚(スミちゃん)◎ 松村寿美子(Sumiko Matsumura)
大阪府大阪市生まれ。大阪を拠点に、VP・CMの制作進行に従事。2007年 上京。現在は東京を拠点に日々奮闘中!
市川監督に声を掛けて頂いて、今回の映画に参加する事が出来て本当によかったです。私自身は、いつもは裏方をしているので最初は戸惑いもありましたが良い経験をさせて頂きました。本当にありがとうございました。あと、制作を生業とする者としては申し訳ないとは思いましたが…。
撮影中にカメラを持つ市川監督が、警備員さんに注意されている姿なんてCMの撮影ではなかなかみられない貴重な光景も目撃させて頂けました。(笑)
インタビュアー ◎ 佐藤慎一(Shinichi Sato)
徳島生まれ。1989年 電通入社。関西支社配属。競艇好きです。落語好きです。お酒好きです。TVドラマ好きです。
準さんとの初めてのお仕事は“ドーハの悲劇”と語り継がれているあの日。に、本編集でした。それから14年。久しぶりのお仕事も、あったかくって、頼りがいがあって、刺激的なものでした。で、出演。え、出演?えええっ!?出演!?「なんで、僕?」っていう質問を、させてもらえておりません。「どーよ、僕?」という質問も出来ていません。だから答えは知りません。“どーよの悲劇”です。・・・。本当に申し訳ございません。
助監督 ◎ 末永智也(Tomoya Suenaga)
1971年 埼玉生まれ。市川準監督作品『ノーライフキング』(89年)や『プチダノン』『金鳥』など各種CMに影響を受け、この業界に入る。広告制作会社の企画演出部に入社後、広告代理店への出向を経て、1998年 独立。フリーの演出家として活動中。
制作 ◎ 宍戸貴義(Takayoshi Shishido)
1980年生まれ。2005年 淑徳大学大学院修了後、CM制作会社に入社。CMのプロダクションマネージャーを勤める傍ら、2007年から演出を始める。2009年9月よりフリーに。
音楽 ◎ 松本龍之介(Ryunosuke Matsumoto)
1973年生まれ。1997年 ニューイングランド音楽院作曲科卒業。2001年 バークリー音楽院フィルムスコアリング科卒業。学校を卒業後は主に自主制作映画の音楽を作曲。市川監督のネットムービー・セキスイハイム『しあわせの貯金箱』の作曲担当。『buy a suit スーツを買う』と共に『TOKYOレンダリング詞集』の音楽も手掛けた。
整音 ◎ 橋本泰夫(Yasuo Hashimoto)
1944年宮崎県生まれ。1965年 東京写真大学(現東京工芸大学)卒業。1967年 録音グループ「櫂の会」の設立に参加。1980年 (株)櫂の会を退社後フリーとなり映画・CMの録音を担当。以降、日本を代表する録音技師として活躍。主な作品歴として、『南極物語』(83年 蔵原惟繕監督作品)、『植村直巳物語』(86年 佐藤純彌監督作品/ 87年度 日本アカデミー賞最優秀録音賞受賞)、『敦煌』(88年 佐藤純彌監督作品/ 89年度 日本アカデミー賞最優秀録音賞受賞)、「あ・うん」(89年 降旗康男監督作品/ 90年度 日本アカデミー賞最優秀録音賞受賞、日本映画技術賞受賞 )、『蝉しぐれ』(05年 黒土三男監督/ 06年度 日本アカデミー賞優秀録音賞受賞)など。市川準監督とは「病院で死ぬということ」(93年/ 94年度 毎日映画コンクール録音賞受賞)をはじめとして、その後のほとんどの映画作品を担当した。
衣裳 ◎ 宮本まさ江(Masae Miyamoto)
1985年 第一衣裳入社。その後フリーになり、1988年 ワード・ローブを設立し、年平均4本以上のペースで、主に独立系映画の衣裳に携わる。CM、TVドラマ、舞台でも多くの作品を手掛ける一方、『ざわざわ下北沢』(00年 市川準監督作品)をプロデュースする。主な作品として『夢二』(91年 鈴木清順監督作品)、『青い春』(01年 豊田利晃監督作品)、『赤目四十八瀧心中未遂』(03年 荒戸原次郎監督作品)、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(07年 松岡錠司監督作品)、『トウキョウソナタ』(08年 黒沢清監督作品)、『劔岳 点の記』(09年 木村大作監督作品)などがある。
※掲載プロフィール、コメントは2009年4月当時のものです。