市川準(いちかわじゅん) 享年59
1948年東京生まれ。
1975年CM制作会社(株)キャップに入社後、1981年にフリーとなり、1984年市川準事務所を設立する。CM演出家として「禁煙パイポ」「NTTカエルコール」「金鳥タンスにゴン」「三井のリハウス」「ヤクルトタフマン」「サントリーオールド」など数多くのヒットCMを演出。1985年にはカンヌ国際広告映画祭で金賞を受賞。CM界の第一線で活躍を続ける中、1987年に映画監督としての第一作「BU・SU」を発表。以降、「会社物語」「病院で死ぬということ」「東京夜曲」などを手掛け国内外で高い評価を得る。2005年「トニー滝谷」ではロカルノ国際映画祭審査員特別賞をはじめとする多くの受賞を果たした。2007年に「あしたの私のつくり方」発表後、自らハンディカメラを回した自主制作映画「buy a suit スーツを買う」の製作に取り組む。2008年9月19日「buy a suit スーツを買う」の編集を終え急逝。年1作のペースで製作し続けた映画作品は、WOWOWで放映された「春、バーニーズで」(’06)を含め全21作。演出したCM作品は2000本以上に及ぶ。次作映画のクランクインも目前であった。遺作となった「buy a suit スーツを買う」は第21回東京国際映画祭 日本映画「ある視点部門」で作品賞を受賞。2009年4月より劇場公開された。
1948(昭和23)年|
11月25日 東京都生まれ。
1972(昭和47)年|
CM制作会社 シバプロダクション入社。制作部所属となる。
1975(昭和50)年|
シバプロダクションを退社後、CM制作会社 キャップ 企画演出部入社。
1985(昭和60)年|
第32回カンヌ国際広告映画祭金賞を受賞(『トンボ・モノボール』)。
1986(昭和61)年|
村上里佳子PV『Kiss off』、斉藤由貴PV『漂流姫』を演出。第3回日本新語流行語大賞・流行語部門・銅賞を受賞(『亭主元気で留守がいい』)。
1987(昭和62)年|
10月31日 映画初監督作品『
BU・SU』公開。斎藤由貴PV『「斉藤さんちのお客様」を抱きしめて』。第4回日本新語流行語大賞・流行語部門・大衆賞を受賞(『ワンフィンガー ツーフィンガー』)。
1988(昭和63)年|
11月26日『
会社物語』公開 。斉藤由貴MV『PANT 第一章「終わりの気配」』を演出。
1990(平成 2)年|
4月2日 テレビ朝日『市川準の東京日常劇場』放映開始(〜91年6月まで64話を演出)。
10月20日『
つぐみ』公開。同月「映画 つぐみ シナリオ&フォト」(中央公論社)出版。11月、週刊ポストにて「東京日常劇場」を連載(全18回)。
1991(平成 3)年|
9月、『
ノーライフキング』が第29回ニューヨーク映画祭の招待作品に選ばれ、
映画監督として初めて海外映画祭に参加する。11月23日『
ご挨拶(第2話・佳世さん)』公開。小川美潮PV『4to3 pictures』を演出。
1992(平成 4)年|
第39回カンヌ国際広告映画祭・フィルム部門・銀賞を受賞(『ダスキン・きんさんぎんさん』)。
1994(平成 6)年|
1月13日 NHK-BS2『男前・本木雅弘〜ラッキィ』放映。第11回日本新語流行語大賞・大賞を受賞(『スッタモンダがありました』)。
1995(平成 7)年|
1月14日『
東京兄妹』公開。7月25日 NHK-BS2『真夜中の王国・市川準の純粋映像』放映。
1997(平成 9)年|
6月21日『
東京夜曲』公開。第21回モントリオール世界映画祭では最優秀監督賞を受賞。
2000(平成12)年|
3月7日NHK-BS2『にっぽんの名作・朗読紀行・江分利満氏の優雅な生活』放映。
7月7日『
ざわざわ下北沢』公開。
2005(平成17)年|
1月29日『
トニー滝谷』公開。第57回ロカルノ国際映画祭では審査員特別賞他トリプル受賞を果たす。
2006(平成18)年|
1月21日『
あおげば尊し』公開。
2月19日 WOWOW『春、バーニーズで』放映。
2008(平成20)年|
9月19日 脳内出血のため死去(享年59)。
9月22日 自宅にて密葬。
10月26日 自主映画『
buy a suit スーツを買う』が第21回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で作品賞を受賞。
12月5日 椿山荘にて『市川準監督 お別れの会』開催。