PV&TV
市川準監督PV作品(VTR作品)

『Kiss off』 1986年 (45分)

CM作品以外の市川準映像作品第一作目。
映画『BU・SU』 に先立つ実質的なデビュー作ともいえる重要な1本。
村上里佳子主演の短編映画(ビデオ作品)。実験としての趣があり、市川準の照れが随所に見てとれるのも面白い。イッセー尾形など、後の市川組となる役者が出演している。本作では市川準自身の「声」も楽しめる。

『漂流姫』 1986年 (46分)

漂流姫
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斉藤由貴のイメージビデオ作品。
オール香港ロケによる異国情緒溢れる画づくリ、アクションシーンなど、後の市川作品と比べてみると、かなり刺激的な作品といえる。しかし、アイドル斉藤由貴の言葉を封じ、わずかな、台詞ともつかない声しか斉藤由貴の口から聞くことはなく、“全てを映像で語る”という市川準の基本姿勢は、本作においても顕著に現れている。アイドルのイメージビデオが氾濫する中、本作は力強く異彩を放ち、現在を担う映像クリエイターにも本作のファンは多い。

「斉藤さんちのお客さま」を抱きしめて『家族の食卓』 1987年 (7分)

フジテレビ系列で1986年に放送されていた斉藤由貴の番組「斎藤さんちのお客さま」の主題歌として流れていたミュージッククリップ「家族の食卓」を番組のビデオ化に合せて7分のロングヴァージョンに制作したビデオ作品。
当時人気絶頂のアイドル斉藤由貴のミュージッククリップだが、斉藤自身はほんの数カットしか姿を見せない。人々の生活の風景、通勤、通学、学校、休日の土手ベリを楽しむ親子…ピントをぼかした日常の描写がシルエットとなって、印象深く浮かび上がってくる。そこからは、ほのぼのとした独特の雰囲気が立ち上る。「斉藤由貴デビュー25th記念DVD-BOX」に収録。

PANT第一章『終わりの気配』1988年 (5分)

PANT
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斉藤由貴のアルバム『PANT』と並行して制作されたビデオ作品(ミュージッククリップ集)の中の一編「終わりの気配」を市川準が担当。斉藤由貴のとりとめのないナレーションに続いてストーリーが始まる。東京乾電池の面々を起用し、斉藤由貴の美しさと彼らの奇妙な存在感、その対比の巧妙さに市川ワールドを感じる。その他の収録作品を、中島哲也、結城臣雄、原賢司、関谷宗介など、錚々たるメンバーが担当している。

『市川準の東京日常劇場』1991年 (憂愁篇 83分)(哀愁篇 87分)

1990年4月〜1991年6月までの毎週月〜木曜日の深夜5分枠、テレビ朝日にて放映された傑作、『市川準の東京日常劇場』64話のうち、一部を再編収録したビデオ作品。
TVで放映された64話の中から一部のタイトルを「憂愁篇」「哀愁篇」として2巻にまとめたもの。本作の中では、2つの話が約2分間隔で交互に綴られるというTV作品と異なる構成になっているものもある。

『4to3 Pictures 小川美潮』1991年 (44分)

1990年の映画「つぐみ」のラストの歌を担当したアーティスト小川美潮のミュージックビデオ作品(ミュージッククリップ集)。5曲の収録作品は“短編映画”という印象で、小川美潮が女優として素晴らしい輝きをみせる。

市川準監督
市川準監督TV作品

『市川準の東京日常劇場』 1990年 全64話 テレビ朝日放映

1990年4月〜1991年6月までの毎週月〜木曜日の深夜5分枠、テレビ朝日にて放映された傑作、『市川準の東京日常劇場』64話。 テレビ放映当時、帯番組で10分1話完結という異例の編成と、錚々たる出演陣の顔ぶれに、テレビ界、映画界、俳優からの反響も大きかった作品。番組の終わりには市川準本人のナレーションによる「この番組は学生援護会の提供でお送りしました」というオマケまでついていた。 また、同年 市川準監督のイラスト付きコラム「東京日常劇場」が、週刊ポストにて連載された。(全18回)

男前・本木雅弘『ラッキィ』1994年 (35分) NHK-BS2放映 1994年 (35分) NHK-BS2放映

1994年1月13日に放映された作品。
NHK-BSで「男前」として男優4人(織田裕二、時任三郎、陣内孝則、本木雅弘)それぞれの主演映画と特別番組をセットで放送する特集が組まれた。その本木雅弘特集時に特別番組の中に組み込まれた短編映画が市川準監督の本作「ラッキィ」。35分の本編を挟んで、前後に20分のメイキング風景が織り込まれて放映された。本木は東京郊外のファミリーレストランの副店長役。“ラッキィ”とは彼が田舎で飼っていた犬の名前で、愛犬への語りかけ(ナレーション)を通じて、主人公の人柄、性格を浮かび上がらせる構成と手法に引き込まれる。
本木雅弘はこの2年後1996年に「トキワ荘の青春」で市川映画に主演した。

真夜中の王国『市川準の純粋映像』1995年 NHK-BS2放映

市川準本人がハンディカメラを持ち、「トキワ荘の青春」撮影直前の自分の日常をカメラにおさめた作品。時に自分にカメラを向けて語りかけ、時に仕事の打合せ現場にカメラを持ち込み、その場にいる人間に“市川準”を語らせるという流れで淡々と進む。

にっぽんの名作・朗読紀行『江分利満氏の優雅な生活』2000年 NHK-HD-BS放映

作・山口瞳の「江分利満氏の優雅な生活」を平田満による朗読で描いたドラマ。

『春、バーニーズで』2006年 (120分) WOWOW放映

春、バーニーズで
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プロデューサー:井上衛、井上文雄 原作:吉田修一『春、バーニーズで』 脚本:市川準 撮影:小林達比古 音楽:SPDILL、speedometer
【出演】西島秀俊、寺島しのぶ、栗山千明、光石研、山中聡、利重剛、澁谷武尊、田口トモロヲ、倍賞美津子
ギャラクシー賞テレビ部門月間賞 (2006年2月)
“ふとしたはずみに、もう一つの時間へ”
何もかも捨てて何処かへ行きたくなった時、あなたのそばに誰がいましたか?
芥川賞作家・吉田修一の原作をWOWOWで映像化。一見平和なのに、裏側には危険を孕んだ現代の夫婦関係が独特の映像センスで鮮やかに映し出される。
30代の平凡な会社員・筒井は、離婚経験があり、文樹という男の子を働きながら育てていたフリーの翻訳家・瞳と周囲の懸念をよそに結婚する。
瞳と文樹、瞳の母や妹との関係も良好で、良き夫であり、良き父であった筒井だが、ある時、特に理由もないのに、まるで何かをあきらめてこの生活を選んだような機になってしまう自分がいることに気づくが……。

作品データ:「市川準研究」1996年創刊準備号、1998年第1号 、「市川準」(河出書房新社・刊)より転載

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